甲府市にて、納骨室のないお墓の建て替え工事。高級感あるカンボジア産OW-1の和型墓石

ホームページをご覧いただきありがとうございます。甲府市を中心にお墓のお仕事をさせていただいております、多田石材店の多田です。甲府市のお寺様墓地にて、納骨室のないお墓の建て替え工事をお任せいただきましたので、ご紹介いたします。

 

甲府市寺院墓地 建て替え カンボジア産OW-1

 

当店のホームページをご覧になったお客様がご来店下さいました。ホームページの施工例を色々見て下さっていて、「こういうふうにしたい」と明確なご希望を持ってお越し下さいました。和型墓石の施工例にあった広い敷地の立派なお墓で、そのお墓を参考に、今のお墓を建て替えたいとご希望でした。

 

こちらが建て替え前のお墓です。間口に対して奥行きの小さい敷地で、横向きに石塔が建てられています。お父様が建てられたお墓で、納骨室がなく地中にお骨壺を納められていました。「いつかは建て替えよう」と思っていたそうですが、そろそろご自分達が入るところを作っておきたいというお気持ちもあり、このたび建て替えを具体的に進めることになったようです。

 

気に入っていただいたお墓を参考に、墓地の広さに合わせてご提案した図面です。元になったお墓の石塔や塔婆立ての配置、門柱のデザイン等もとても気に入られていたので参考にして作成し、使用する石の種類をお選びいただいて、工事をお任せいただくことになりました。

 

工事が始まっています。お寺様にお経を上げていただいて、まずは古いお墓を取り外しました。ご遺骨は地中に埋められていたので、工事の途中で取り出しました。敷地の右手前と、左奥にも大きな樹木が植えられていました。

 

お客様が「知らぬ間に生えてきていた」とおっしゃっていた左奥の樹木は、伐採して根元を確認するとかなり根が張っていました。しかもとても硬い質の木なのか、チェーンソーで切ろうとしても刃が止まってしまってなかなか切れませんでした。結局切るのに数日かかりました^^;

 

木の作業も進めつつ、お天気の方も心配でしたので、基礎の準備を進めます。

 

数日かけてやっと木を取り除いて、コンクリート基礎を打つところまで進みました。中央が納骨室の下にあたるところで、左右は玉砂利を敷く土間部分の下で、水抜きとなる穴です。

 

養生期間を置いてしっかり基礎が固まったら、石の据え付けに入ります。コンクリートの表面には「合口加工」といって、上に据える石のズレを防止するための刻みを付けています。石の底面にも同じような刻みが付いていて、モルタルで接着したときにがっちりかみ合って固まり、石がずれることを防ぎます。父の代から行っていた伝統的なお墓施工の際の加工です。

 

石の据え付けが進んでいます。外柵を据えて、中央に納骨室を作成したところです。

 

外柵の石の内側は、角の部分を耐震ボンドで接着した上、L字の補強金具で留めています。モノコックタイプの強度がより高いものです。上下2段留めて、さらに強度も高くなっています。

 

金具を留めたあと、納骨室の両脇の土間部分にコンクリートを打ちます。その下に砕石を入れたところです。土を入れるよりも、砕石を入れた方が水分を含まないため水はけがよくなり、沈下も防げます。

 

コンクリートを打ち終わりました。パイプは水抜きの穴です。穴に向かってわずかに傾斜を付けています。コンクリートが固まったら、この上に砂利を敷いて仕上げます。

 

納骨室です。総御影造りの納骨室で、奥に見えている板石の上にお骨壺を安置します。その下は土のままなので、将来的にお骨がいっぱいになったらここから土に還すことができます。最後は表面にきれいな真砂土を敷いて仕上げます。納骨室の上に、芝台を設置するため耐震ボンドを塗布して準備します。

 

芝台を設置し、さらに台石を据えました。今回は、石塔にも外柵にもカンボジア産のOW-1という白御影石を使用しています。近年とても人気が出てきたきれいな石です。

 

一番上の棹石を据えました。完成が近づいています。

 

石塔の左側に塔婆立てを設置します。こちらは台座部分です。柱を設置する場所は印のようにピンを取り付けて、しっかり固定します。塔婆立ては高さがあって、この地方特有の強風であおられることもあるので、経験上できる限り強度の高い施工をしています。

 

塔婆立ての柱を設置、手前にお地蔵様を安置します。黄色いテープは、あとで目地をきれいに打つための養生テープです。

 

石塔の右側には墓誌を設置しました。全体に目地を打って花立や小物類を設置、納骨室の蓋石を取り付けて、砂利を敷いたら完成です。

 

完成しました。堂々とした風格や高級感を感じる和型墓石です。立派な門柱も重厚感があります。通路に対してお墓が正面になり、お参りしやすいお墓になりました。

 

香箱加工や亀腹加工などの伝統的な和型墓石の高級加工を施したお石塔です。以前のお墓と同じ和型墓石にすることはお客様のご希望のひとつでした。塔婆立てや墓誌などは、参考にさせていただいたお墓をもとにしています。彫刻はすべて黒色を入れました。

 

間口の広い入り口は、すっきりしてお参りしやすい形状です。門柱はオリジナルのデザインで、曲線がアクセントになっています。これまでにも気に入っていただいて何度か作らせていただいたデザインです。足元は全面にすべり止め加工をしているので、雨の日などもすべりにくく安全です。

 

納骨室の前蓋は、桜の花を彫刻しています。施工事例をご覧いただいてお選びになりました。こちらは妻がオリジナルでデザインしているものです。前蓋にこうしたお花の彫刻を入れることは当店ではよくいただくご希望で、中でもこちらは人気のデザインです。

 

お客様には、「イメージしていたより実物はとてもよかった!」ととても喜んでいただくことができました。このたびは数ある石材店の中から当店にお声かけいただきまして、ありがとうございました。「こんな風にしたい」とここまで明確にご希望いただくことはなかなかないので、墓地の広さにあわせてうまく設計できるかどうか考えるところもありましたが、なんとかご希望の形にすることができたので、喜んでいただけて本当によかったです。施工したお墓を気に入っていただけたことはもちろん、ホームページのプロフィールから私の高校の先輩ということも分かり、そんなことからもご縁を感じていただけたのかなと、大変ありがたく思っております。お参りされていてお困りのことなどございましたら、またいつでもご連絡くださいませ。どうぞ末永くよろしくお願いいたします。