甲斐市寺院墓地にて、傾いたお墓の据え直し・倒れた墓誌の修復等の工事
ホームページをご覧いただきありがとうございます。甲府市を中心にお墓のお仕事をさせていただいております、多田石材店の多田です。甲斐市寺院墓地にて、傾いたお墓の据え直し・倒れた墓誌の修復等の工事をさせていただきました。
甲斐市寺院墓地 修理リフォーム
お寺様から、お墓の墓誌が倒れてしまったというご連絡をいただきました。早速現地へお墓の状況を確認に向かいました。
こちらがご相談のお墓です。右手の墓誌が倒れてしまって、石も少し傷ついていました。平成7年に建立されたお墓で経年の影響も考えられましたが、よく見るとお石塔そのものも後ろへ少し傾いていました。お電話でそのことをお伝えすると、お客様は気付いておられなかったのでご一緒に現地を見てご確認いただくことになり、もし倒れて後ろのお墓にぶつかってしまったら大変だと、石塔の据え直しもさせていただくことになりました。
お経をあげていただいたあと、ご遺骨を一旦取り出して石塔を取り外しました。灯篭や墓誌、塔婆立てもすべて一旦取り外します。
下にはコンクリートの納骨室があります。実は、この納骨室も後ろへ傾いていました。ただ、これもすべて取り外して据え直すとなると、すべて解体して大掛かりな工事になります。今回はひとまず強度を出して傾きを抑えるために、墓地内にコンクリートを打つことにしました。
周りの土を漉き取って砕石を入れて転圧し、鉄筋を組みました。これからコンクリートを打設します。
周りにコンクリートを打ったところです。奥の角に見えるのは水抜き穴です。
納骨室の周りは水平を取りつつ、補強のためのコンクリートをさらに打ちました。しっかり固まったら石材の据え直しに入ります。
一番下の芝台を設置して、その上に下台を設置しました。さらにその上に上台を据えるため、2種類のボンドを塗布してしっかり耐震施工で据え直します。
上台を設置して、左後方に塔婆立も設置しました。
手前の灯籠です。こちらも、細かい接着面まできちんとボンドを使い、据え直します。
灯籠や墓誌も据え直しが完了しました。黄色の養生テープを打っている場所に、これから目地を打ちます。隙間の目地が切れたり取れたりしていると、隙間に水が入って凍結し、それが原因で石を動かしてずらしてしまうこともあります。深くしっかり目地を打って仕上げます。
工事完了です。倒れていた墓誌も設置され、お石塔の傾きもなくなりました。今回の傾きの原因ははっきりとは分かりませんでしたが、施工の方法も時代によって様々ですし、建てられて30年という年月を考えると、長い間に少しずつ影響が出てきたのかもしれません。現代の施工技術も使って、ひとまずは安心してお参りいただけるようになりました。
お客様は当初はお墓の傾きには気付いておられず、現地を確認された時はびっくりして心配されていたので、これで安心していただけたと思います。建てられて30年近く経ち、ちょうどメンテナンスのタイミングでもありましたので、この機会にひとまず安心していただけるようになってよかったです。お参りされていてお気付きのことや、お困りのことなどございましたら、またお気軽にご連絡いただければ幸いです。