福島県産深山ふぶきのお墓を建立。市川三郷町寺院墓地

ホームページをご覧いただきありがとうございます。甲府市を中心にお墓のお仕事をさせていただいております、多田石材店の多田です。市川三郷町の寺院墓地にて、すべて福島県産深山ふぶきでお作りしたお墓をご紹介いたします。

 

市川三郷町 寺院墓地 石塔・外柵:福島県産深山ふぶき

 

ホームページをご覧になったお客様が、建立をご希望でご来店くださいました。ご主人様のためのお墓で、娘様とご一緒にお話をさせていただきました。市川三郷町のお寺様に墓地をお持ちで、墓地の様子やお墓のご希望等を伺いました。

 

後日現地でお待ち合わせをして、お墓を建てる場所の確認をしました。市川三郷町は当店から車で30分ほどのところで、最近お仕事が増えてきた地域です。事前にある程度うかがってはいましたが、思っていたよりも広く、傾斜もかなりありました。敷地の広さを採寸するなど確認して、図面を作成してご提案しました。

 

ご提案図面です。お墓については、施工例等を見ていただいてご希望を採り入れました。傾斜地なので、後方から水などが入らないような作りにしています。向かって右手の燈籠の前が入り口になります。当初は入り口の間口をもう少し広く設けていましたが、お墓の土台部分にもっと奥行きがほしいとのことで、入り口の方は人が一人通れるくらいの間口に変更しています。そのほか、石塔の周りは砂利敷になっていますが、このあとすべて石貼りに変更しました。

また、今回使用した石は、福島県産の深山ふぶきという青御影石です。サンプルなどをご覧いただく中でお選びいただきました。部分的に違う石を組み合わせる方法もご提案しましたが、最終的にはお母様が「すべて同じ石で作りたい」とご希望になり、石塔から外柵まで、すべて同じ深山ふぶきでお作りすることになりました。

 

工事が始まりました。土を掘り下げて、基礎を打つ準備をしました。

 

今回は傾斜地なので、入口の階段部分とお墓の部分の基礎を段違いで打ちます。まずは、入口の階段部分の基礎を打つ準備として、木枠を組み地固めをしました。

 

木枠の中に鉄筋を組んだところです。こうした基礎工事の内容や工程なども、ご来店いただいたときにご説明していました。その点からも安心してお任せいただけたようです。

 

コンクリートを流しこんで、表面をならします。パイプは水抜き穴です。

 

お階段部分の基礎が完成したら、お墓の基礎を打っていきます。こちらは重量のある石材が乗る部分なので、さらに強度の高い基礎を施工します。

 

鉄筋を組んだところにコンクリートを流し込んで、表面をならしてしばらく養生します。

 

2段目のコンクリート基礎まで完成です。いよいよ石の据え付け開始です。基礎のあちこちにある刻みは「合口加工」といって、これから据え付けていく石の底面にも同じような刻みがあり、セメントで据える時にしっかりかみ合ってずれにくいようにするための加工です。

 

外柵の据え付けが進んできました。囲い部分をおおよそ組み終わりました。中央は納骨室です。

 

角の部分はL字のステンレス金具でしっかりと固定しています。石の接着面は耐震ボンドで接着し、さらにこの金具で揺れなどで開かないように固定します。高さがある外壁は縦に3つ並べて取り付けました。地震対策としても重要な部分です。

 

納骨室の周りや石貼りをするお参り部分に、砕石を入れてコンクリートを打ちます。昔は土を入れていましたが、砕石の方がしっかり締まって水はけも良くなります。粒の少し大きめなものを使っています。

 

ワイヤーメッシュを入れてコンクリートを打設しました。

 

納骨室内です。これから石塔を設置するところです。中は棚板を設けて、底の部分は「土残し」で土のままです。底にはこのあと真砂土を入れて仕上げます。

 

納骨室の上に台石を設置して、耐震ボンドを接着面に塗布して棹石を据えるところです。印はステンレス製の耐震棒です。棹石の底面の穴に貫通させてしっかり固定します。洋型のお墓なので、左右に2本取り付けました。地震などによるズレを防止して、2本なのでずれて石が回転することも防ぎます。

 

棹石を据えて、墓誌や塔婆立ても設置しました。完成が近づいています。花立などの小物を設置して目地を打ち、拭き上げたら完成です。

 

石塔や外柵まで、すべて福島県産深山ふぶきのお墓が完成しました!

 

石塔を中央に、右手が墓誌、左手が塔婆立です。墓前灯篭も両端に設けました。ご希望で正面は家名ではなく「絆」のひと文字を彫りました。また、石の美しさが際立つように、あえて色を入れずに仕上げています。高さがあるので、お掃除の際に手が届くよう、墓誌と塔婆立ての手前にすべり止め加工をした踏み台を設けました。

福島県産の深山ふぶきは、福島県の船引町という場所で採掘されている石です。濃い青色の中に白い模様が入っていて、雪が舞っているように見えることから「吹雪」の名前で呼ばれています。経年でも変色が少なく、とても品質のよい高級石材です。

 

近付いて見ると、白いふぶきの模様がよく分かります。ご希望で、納骨室の前蓋にユリの花を彫刻しました。ご提案したデザインを気に入っていただいて、ご希望で少しお花を大きくするなど調整しました。施工事例をご覧になって、「うちも彫りたいな」とこの部分にお花の彫刻をご希望になるお客様は多いです。デザインは妻が担当しており、ユリ以外にも桜や蓮など、色々なお花をモチーフにしたデザインをご用意しています。

 

後方から見たところです。水やごみが入ることをとても心配されていたので、外柵は少し高めに設計しています。囲いの石、羽目石は下に隙間があることも多いですが、外からの水が入らないようにするため、今回はあえて設けていません。石貼り部分は、お墓の手前に向かって水が流れるように傾斜を付けています。

 

入口から入った広いお参り部分は、すべり止め加工をしています。雨などで濡れても滑りにくく、安全にお参りいただけます。

お墓が完成し、ご納骨も無事に終えられました。今回は、ほかの石材店さんにもお話を聞いていた中で、お母様がぜひお願いしたいと当店をお選びくださって建立工事をお任せいただけることになりました。完成を楽しみにしてくださっていたお母様ですが体調を崩されて当日お越しになれなかったので、お墓のご説明をしながら動画を撮って送らせていただくと、「感謝しています。ありがとうございます」ととても喜んでくださっていました。この度は、数ある石材店の中から当店にご依頼いただきましたこと、とてもありがたく思っております。長い間安心してお参りいただけるお墓になっておりますので、どうぞ末永く皆様でお参りくださいませ。お参りされていて何かお困りの際には、お気軽にお声かけください。