お父様がお好きだったアジサイの花を添えた洋型墓石。甲斐市寺院墓地
ホームページをご覧いただきありがとうございます。甲府市を中心にお墓のお仕事をさせていただいております、多田石材店の多田です。甲斐市寺院墓地にて、亡くなったお父様がお好きだったアジサイの花を彫刻した洋型墓石が完成しましたので、ご紹介いたします!
甲斐市寺院墓地 湖南G623
以前からお世話になっている方から「お墓を建てたい」とご相談をいただきました。親子でお仕事をされていてお父様がお亡くなりになり、ご相談くださったのはその息子さんです。私の父の代からお世話になっていたお父様でした。
墓地はすでにお持ちで、お墓については洋型をご希望でした。明るいイメージになるようにということで、ご希望やご予算を伺ってご提案しました。その後、文字彫刻の内容などの細かいお打ち合わせを色々している中で、お花を彫ることもできますよとお話していると、お父様がお好きだったアジサイを彫れないかとお話がありました。ご要望を採り入れてお打ち合わせを重ね、工事に入らせていただきました。
工事開始です。コンクリートで区画が作られていましたので、地面を掘削して砕石を入れて転圧しました。コンクリート基礎を打ちます。
二重に鉄筋を組み、コンクリートを流し込む準備が整いました。中央の木枠は納骨室の真下にあたり、土のままで残します。左右のパイプは水抜き穴です。
コンクリートを打ち終わりました。今回は、周りのコンクリートの縁石と一体化させました。しっかりと固まるまで1週間ほど置きます。
基礎が完成し、これから石を据えていきます。モルタルで石を設置する際にかみ合うようにするため、印のように合口(あいくち)加工をしています。
モルタルを使って袖石を設置するところです。袖石の底面にも同じように刻みを入れているので、その分手間はかかりますが万一の地震などでもずれにくくなります。
納骨室入り口横の石を据えるところです。シリコンの耐震ボンドを塗布して、土圧で石が動かないようにここも合口加工でしっかりと接着させます。
納骨室を後方からみたところです。囲いの石と納骨室を据え終わり、補強金具で角部分を留めました。
印のように、より強度が高いとされる、中央が膨らんだ形のモノコックタイプのL字金具を使用しています。耐震ボンドと金具を併用して、地震などの揺れでも石と石がずれないようにしっかり固定します。
納骨室が完成し、その周りにコンクリートを打ちました。周りには砂利を敷いて仕上げますが、土のままでは草が生えてきてしまうのでその対策でもあります。水抜き穴があるので水が溜まることもありません。納骨室は奥にある板石の上にご遺骨を安置します。甲斐市あたりで標準的に使用される7寸のお骨壺であれば、6名分は納めることができます。手前の開いている部分にも板石を設置して仕上げ、将来的にご遺骨がいっぱいになったらその板石を取り外して、下の土残しの部分にご遺骨を還すこともできます。
お石塔の一番下の芝台の上に、上台を据えるところです。耐震ボンドをたっぷり使い、しっかりと接着します。この上に順に棹石も据えていきます。
石塔の横に塔婆立てを設置しました。後は金具を付けて完成です。山梨では多く見られる形の塔婆立です。
周りに五色の砂利を敷いて、完成です。今回使用した石は、湖南G623という白御影石です。墓誌は別途設けず、棹石背面に彫刻しています。
お客様のご希望に沿って、洋型で丸みを持たせた優しいイメージになっています。前面は額出しの高級加工です。水鉢や花立は展示していた直線的ですっきりした形をお選びいただき、香炉は棹石と同じ丸みのある形にしました。
ご希望のアジサイは、納骨室の前蓋石部分に彫りました。妻がデザインしたアジサイのモチーフをご覧いただくと気に入っていただけて、こちらに彫刻しました。ボリュームのある華やかなデザインです。お参り部分は広くすべり止め加工をし、安全にお参りいただけるようにしました。「シンプルに」というご希望でしたが、袖石にワンポイントで少し加工をして、印象的になるように仕上げています。
お父様がお好きだったアジサイの花がパッと目を引く素敵なお墓の完成に、ご法要当日にお集まりになったご家族様・ご親戚様にもとても喜んでいただけました。亡くなったお父様には、お墓を建立されるご親戚の方をご紹介いただいたくなどご生前とてもお世話になり、心を込めてお墓作りをお手伝いさせていただきました。ご供養になれば何よりうれしく思います。親の代からの長いお付き合いになりましたが、どうぞこれからも末永くよろしくお願いいたします。何かお困りの際にはどうぞいつでもお声かけください。